「向上心がある人」 「主体性がある人」 「明るく元気な人」
もし、あなたの会社の求人票にこれらの言葉がそのまま載っているなら、それは「もったいない」状態かもしれません。
なぜなら、これらの言葉はあまりに多くの企業が使っているため、求職者に「御社ならではの魅力」が伝わりにくくなっているからです。
はじめまして。企業の採用ブランディングと言語化をサポートしています。(※ここにあなたの肩書きが入ります)
この記事では、「よくある言葉」から脱却し、「本当に必要な人材」にだけ深く刺さる求人票を作るための、具体的な「言語化」の技術について解説します。
1. 「理想の人材像」が、応募を遠ざけてしまう?
企業が「向上心」や「主体性」を求めるのは当然です。 しかし、求職者はこう思っています。
- 「『向上心』って、具体的に何をすれば評価されるんだろう?」
- 「『主体性』って言うけど、どこまで裁量があるんだろう?」
- 「『明るく元気』って、無理してキャラを作らないといけないのかな?」
このように、言葉が抽象的すぎると、求職者は「自分ごと」として捉えられず、応募をためらってしまいます。
2. 解決策は「ターゲットの視点」に立つこと
「理想の人」を探すだけでなく、「本当に必要な人」に届ける視点を持ちましょう。 戦略は2つあります。
戦略A:「育てる仕組み」を言語化する(“ポテンシャル”採用)
「向上心」や「主体性」は、才能ではなく「環境」によって育つものです。その「環境(=仕組み)」を具体的に提示します。
NG例: 「主体性がある人、求む!」
OK例: 「『主体性』は『裁量』があってこそ育つと考えます。例えば、入社1年目から『月5万円までの広告予算』は、あなた自身の判断でプランニングし、実行できます。」
NG例: 「向上心がある人」
OK例: 「『向上心』を『評価』に直結させます。資格取得支援はもちろん、『何を学べばどう評価されるか』という成長ロードマップが明確です。」
戦略B:「本当に必要な一点」に絞る(“一点突破”採用)
「全部できる人」ではなく、チームに今一番必要な「たった一つの強み」を持つ人に絞って呼びかけます。
NG例: 「明るく元気な人」
OK例(※もし顧客サポート職なら): 「無理に明るく振る舞う必要はありません。それよりも、お客様の課題に『真摯に』向き合い、『落ち着いて』話を聞ける方を歓迎します。」
NG例: 「主体性がある人(0→1が得意な人)」
OK例(※もし実行部隊が必要なら): 「『0→1』の企画が苦手でも構いません。私たちは、決まったことを『10→100』に改善・実行できる『着実な遂行力』も同じくらい高く評価します。」
3. 結論:求人票は「マーケティング」である
求人票は「お願い」ではありません。 **「誰に」「何を」「どう伝えるか」**を設計する、緻密な「マーケティング活動」です。
「向上心」「主体性」といった抽象的な言葉を、御社ならではの「具体的な仕組み」や「本当に求める人物像」に言語化し直すこと。 それこそが、採用の質と効率を高める第一歩です。